「学校」は、数少ない全ての人に共通するものの1つです。
どこの出身であろうと、誰であろうと、みんな勉強しなければいけません。
ここでみなさんに質問です。
私たちは、なぜ学校に行くのでしょうか?
学校の本当の目的って何なんだろう、と考えたことはありますか?
私たちはなぜ学校に行くのでしょうか。
こんな風に思っている方が多いのではないかなと思います。
"学校に行く目的は勉強することでしょ!"
"教育を受けるのは重要だから"
もちろん間違いではありませんが、それだけでは全てを語ることはできないんです。
教育を受けるのが重要で、勉強するために学校に行くと仮定して、次の疑問について考えてみてください。
なぜ、私たちは〈学校で教わること〉を勉強するのでしょうか?
現代の教育制度は何のためにあって、なぜ現在のような形に発展したのでしょうか。
そして、それがあなた自身に、あなたの学習目標・自己啓発に、どのような影響を与えるのでしょうか?
この「知識を装備しよう」シリーズでは、標準化された教育やテストの目的について、公立学校、そして英会話スクールのような私立の教育機関について、詳しく説明します。
この記事を読み終わる頃には、上記のことが、学生であるあなたにどのような影響を与えるのか、そして将来の成長に向かってよりよい判断をするために必要な知識を、今までより深く理解できるようになっていると思います。
それでは、まずは標準化された教育について詳しく見ていきましょう。
標準化された教育とテスト制度について 噛み砕いてみましょう
標準化された教育やテスト制度とは、いったいどういうことでしょうか。
すべての生徒が同じ知識を得ることができるように設計された学校のカリキュラム、これが標準化された教育です。
大衆教育では、個々人に最適な方法で知識を与えるということはできないですよね。
政府や教育機関には、すべての人が同じ方法で教えられたものを同じ方法で量るという〈公正な〉テスト制度が必要です。
個人の能力を示すために、この制度を使ってすべての人を相対的に評価して、ランク付けするのです。
この制度の問題点は、できるだけ多くの人が平等に学習して、できるだけ多くの人が合格できるようにバランスを取っている性質上、ほとんどの人にとっての最適な学習方法、能力開発方法になることは不可能の近いということです。
直接的に言えば、政府は最高の教育を受けさせるためにカリキュラムを組んでいるわけではなく、能力の有無に関わらず全国民に、平等に機会を与えるためにカリキュラムを組んでいるのです。
もちろんそれが〈悪い〉教育ということではなく、個人の能力の限界を知る上では、テストによる評価が必ずしも最適な指標ではないということです。
例を挙げましょう。
例えば、「英語」に焦点をあてて考えてみましょう。
〈英語を勉強した人全員がテストに受かること〉を最終目標とする教育制度で英語を学ぶのと、〈高度な英語教育〉を受けて学ぶのとでは、何が違うか考えてみてください。
比較してみてください。
個人を徹底的に評価して、個人の長所と短所を理解し、高いレベルで英語が使えるようになることを最終的な目的として英語を学習することと、あなたのために特別にカリキュラムを設計してくれる優秀な家庭教師と英語を学習すること。
後者の方がよいのは明らかですが、同時になぜそれを標準化することが不可能なのかも理解できますよね。
では、〈あなたにとって〉はどうなのでしょうか?
学校での時間は無駄だったのでしょうか?
もちろんそんなことはありません。
教育機関は、学生にできるだけ多くの大切な情報を与えて、成長してほしいと考えています。ただ、制度上やはり限界があり、個々の学生にとってベストな機会を得ることはできないことも事実なのです。
でも、標準化された教育の目的を意識することで、発展的な視点からその弱点を見つけることができ、それに何か対策ができるようになりますよね。
そうすることで個人としての能力を伸ばすチャンスがぐっと増えるのです。
さて、ここまでで国民教育における標準化教育の役割は理解できたと思います。
学校が残したギャップを埋めるためには、民間の学習機関がよさそうな気がしてきましたよね。
では、それを見てみましょう。
学校外での標準化
さて、標準化された教育制度の「学校」が残した、あなたの成長へのギャップを埋めることのメリットはご理解いただけたと思います。
でも、どうすればいいのでしょうか?
前回のブログでは、日本での英語学習の様々な選択肢を紹介しました。
でも残念なことに、最も一般的な英語学習法も同じような問題を抱えているのです。
日本で最も手軽に英語学習ができるのは、「英会話スクール」です。
英会話スクールは、より柔軟な英語学習方法を提供しています。
個人レッスンを受けるという選択肢もありますし、個人向けの学習プランを提供すると謳っている会社もたくさんあります。
もし、あなたに合った専用の学習計画を立てるのに尽力してくれる学校や先生が見つけられたら、それはとても素晴らしいことです。たくさん学ぶことができるはずです。
しかしここでもう一度考えなければいけないのが、
〈英会話スクールの目的は何なのか〉ということです。
英会話スクールの目的は、他の営利企業と同じように、利益を上げることです。
もちろん、言語開発サービスを提供することでそれを実現しようとしているのですが、第一優先は利益を上げることです。そしてそれを最も効率的に行うためには、標準化された製品を使う必要があるのです。
学校で英語を勉強するのと、専属の家庭教師をつけるのとを比べてみてください。
これまでの内容で、国の教育制度では専属レベルまでの教育をすることは不可能ということがお分かりいただけたと思います。
では、英会話スクールのような私立の教育機関が、個人向けにそのレベルまで仕上げることは可能なのでしょうか?
技術的には可能ですが、論理的には不可能です。
経済的に不可能でない限り、1人ひとりに専属の家庭教師レベルのカスタマイズされたサービスを提供するためには、人員も時間も十分ではありません。
あなたが個人で受けるサービスを評価するとき、このことを考慮してください。
あなたへの対応について、どのような主張・約束がなされたとしても、あなたがどこかの学校に通い、その組織で他のすべての顧客が使っている教科書しか使っていないとしたら、その組織は個人への対応をしているとは言えないでしょう。
確かに、教師はあなたに合うように内容やレッスンスタイルを変えるかもしれませんが、それでもあなたの成長に最適とは言えません。
そしてまた、そうであってはならないのです。
企業の目標を思い出してください。利益です。
企業にとって最も重要なことは、できるだけ広く網を張って、できるだけ多くの顧客を捕まえることですよね。多くの人が望むだけのサービスを提供することで、その人たちがドアを開けて通い続け、利益を上げ続けることが、常に彼らの最優先事項なのです。
そしてまた、誰に対してもできるだけ公平であろうとするならば、ほとんど誰にとっても最適であるとは言えないのです。
ここまでくると、
"これは私にとってどうなんだろう?"
"自分の可能性を発揮することができなくなるのでは?"
と心配になってしまったかもしれません。
幸いなことに、そうではありません!
実は、学習や能力開発において、語学学習は他の科目とは異なります。
ただ、違う角度から見る必要があるのです!
語学学習は他の科目と何が違うのか?
美術の授業。音楽の授業。英語の授業。
これらを一緒に読むと、不思議に思うかもしれませんね。
英語は他の2つとあまり共通点がないのでは...と感じている方もいると思います。
でも実は、みなさんが思っているよりもずっと近いところにあるんです!
言語を使いこなすとはどういうことなのか?
というより、何を基準に「言語をマスターしている」と判断するのでしょうか?
漢字をすべて知っている人が日本語の達人なのでしょうか?
そうかもしれませんが、そうではないかもしれません。
漢字を全部覚えることは不可能ではないけれど、
その漢字の使い方を知っているということなのでしょうか?
言語をマスターするというのは、コミュニケーションを〈創造する力〉を持つことです。
自分の頭の中にあるアイデアや考えを言語化し、相手に自分の言いたいことを理解できるように表現する。つまり、言語とはクリエイティブなスキルなのです。
すなわち、言語スキルを伸ばし習得する方法は、芸術や音楽など他の創造的スキルと同様に、得た知識を実践的に応用することです。
得た知識を使って、繰り返し繰り返しコミュニケーションをとる。
すると、いつしかそれが考えずにできるようになります。
そしてそれが、標準化された教育制度の下で個人としての能力を伸ばすという点で、語学学習が他の科目と異なる点です。
学校で英語を学ぶと、英語を話せるようになるために必要な基本的な構成要素はすべて教わりますよね。
それからあなたがやるべきことは、その教わった構成要素を使って、あなたにとって最も効果的な方法で言語スキルを構築することです。そして、個人として英語を学ぶことで、個人個人に合った練習スタイルを見つけるための多くの選択肢が与えられます。
では、ここから先はどうすればいいのでしょうか?
さて、前回の記事では、英会話レッスンを受ける場所には様々な選択肢があり、それぞれの選択肢の長所と短所について学びました。
この情報は、あなたが語学力を向上させるための自分なりの道を見つけるための、確かな出発点となる知識を提供するものです。
しかし、語学の勉強を成功させるためには、もう一つとても重要な側面があります。
不思議な感じがしますよね。実は、勉強する場所によって、あなたの成長には大きな違いがあるんです。
次回は、語学を学ぶさまざまな場所と、その長所と短所についてご紹介します。
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