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発達領域 (ZPD)について知っておくべきすべてのこと

更新日:1月24日


お子さんがいらっしゃる方は、

お子さんの生活環境を整えたり成長を支えたいと思いますよね。 では勉強において、ベストな学習環境を整えるにはどうしたらよいのでしょうか?


これまでの数十年という教育経験をもとに、

目標達成に欠かせないといっても過言ではない、有名な学習の概念

「発達の最近接領域 (以下、ZPDといいます。) 」を紹介したいと思います。


この記事では、ZPDとは何か、それが勉強するときにどのような影響があるのか、

どんなメリットがあるのかについてお話しします。



では、ZPDとは?


発達の最近接領域(ZPD / The Zone of Proximal Development)は、1930年代初頭にロシアの心理学者レフ・ヴィゴツキーによって提唱されました。


子どもにとって、自分より知識のある人(先生など)の指導下で練習できる環境に置かれることが、発達への最適領域だという考え方です。


この画像をご覧ください。



ご覧のように意外とシンプルで、3つのゾーンで構成されているんです。

  1. ひとりでできる

  2. 補助/支援があればできる

  3. できない


なぜこの考え方が勉強する上で重要なのか、検証してみましょう。



S2: なぜZPDが重要なの?


短いストーリーを使って解説しますね!

​想像してみてください。


ある日、3人の男の子(イチロー、太郎、次郎)がジムにやってきました。

彼らは今まで一度もトレーニングをしたことがありませんが、みんな同じ夢を持っています。

大きな筋肉をつけて、ムキムキになることです。


みんなが同じジムで同じ夢に向かってトレーニングを始めます。

しかし2年後、夢を叶えたのはイチローだけだったのです。

なぜでしょう。なぜ他の2人は挫折してしまったのでしょうか。


次郎の場合......

初日にジムに入ったとき、ダンベルやマシンを見渡して

「うわ、めっちゃ重そう。こんなの無理に決まってる。」と思ったそうです。


しかしよく見ると、端っこに1キロのダンベルを見つけ、

「あ、これならできそう!」と始めてみました。


そこから狂ったように〈1キロのダンベル×200回〉のメニューを毎日繰り返しました。

...が、何も起こりませんでした。一向に筋肉が大きくならないのです。

結局、次郎は筋肉がつかないことに不満を感じ、ジムに通うのをやめることにしたのです。

残念ですね...。



太郎の場合......

太郎はというと、次郎とは全く違います。

やる気満々でジムに入ると、1番重いダンベルの前に立って

「何がなんでも持ち上げてやる!」と自分に言い聞かせました。


そこから毎日ジムに通い、全身全霊であの巨大なダンベルに挑みましたが、

一度も持ち上げることができず、筋肉も2年前と全く変わっていなかったのです。

「難しすぎる!この重さじゃ、いくらやっても無理だ。。」と悔しがり、

次郎と同じようにジムをやめ、夢を諦めてしまいました。


では、イチローは何が違ったのでしょうか?



イチローの場合......


イチローも他の2人と同じようにジム初心者でしたが、だからこそきちんとしたトレーニングプランが必要だとわかっていたのです。そこで、トレーニングにハマっている友人に頼んで、手伝ってもらうことにしました。


実はこれがイチローの成功の鍵だったんです!

彼の友人は、何年もトレーニングをしているので、イチローの筋肉を見ながら、いつ何のトレーニングをどのくらいの重さでやればいいのかアドバイスをくれました。


2年間やる気とモチベーションがある限りはできる範囲のことを続けました。

ジムに行くたびに、少しだけサポートがあればできるメニューに挑戦していたので、

通うたびに少しずつ上達していったのです。


そして2年後には、友人のおかげもあって夢のムキムキボディを手に入れたのです!Woo!


こうして物語を通してみると、

イチローが夢を叶えられて、太郎と次郎が挫折してしまった理由がわかりますよね。

成功の鍵は、友人が「イチローが常にZPDにいられるようにしてくれたこと」です。



S3: The Zone(ゾーン)


ジムに通う3人の男の子の話と同じように、勉強や自分を成長させるためには「ZPD」を見つけることがとっても重要なのです。


簡単に言うと、今の自分の能力だけでクリア出来てしまう課題を繰り返すだけでは、成長はできないのです。逆に、先生やプロの力を借りてもクリアできない場合は、もう少し難易度を下げてみましょう。

難しすぎる課題に何度も何度も挑戦することは、成長につながらず時間がもったいないですよ。


だからこそ、生徒さん1人ひとりの「発達の最近接領域(ZPD)」を見つけることが大切なのです。

自分1人ではできないけれど、知識や経験のある人に手伝ってもらえばできるような課題に挑戦していれば、それは自分がZPDゾーンにいるということになります。成長している証ですよ!



そして物語を振り返ると、このゾーンを見つけることが大切な理由がもう1つありましたね。

「モチベーション」です。


勉強のモチベーションが下がる最大の原因は、

「自分にはこれ以上無理だ」「課題が難しすぎてできない」という挫折感を味わってしまうことです。


自分がZPDゾーンに収まるようにサポート支援されている限り、

成長している!という感覚を定期的に味わうことができます。

これはモチベーションを維持するのにとっても大事ですよね。



ZPDについて少しご理解いただいたところで、

これがあなたにとってどんなメリットがあるのかを見ていきましょう。



S4: どんなメリットがあるの?


ここまででお分かりいただいたように、1人ひとりのZPDを見つけることは、

その生徒さんが目標を達成するための大切な鍵です。

だからこそ、あなた自身やお子さんがどこでどのように勉強するかを決めるときは、

ぜひこのことを心に留めておいてください。


実際、大人数の生徒を抱える学校や教育機関では、

全生徒に対して標準化された1つのカリキュラムを使うことを余儀なくされています。

全生徒のZPDゾーンを1人の先生が見つけるのは、

時間面においても労力面においても、論理的に不可能なのです。


これは、英語のキングダムのような場所で勉強することで

大きなメリットを感じていただける