どこで英語学習するのがベスト?比較して知識を装備しよう(1)
更新日:6月21日

目次
1. 深く掘り下げる
学校
語学専門学校
英会話スクール
家庭教師
2. まとめ
みなさんの共通認識だと思いますが、英語力は重要ですよね。
これからテクノロジーが進歩し、世界が狭くなるにつれ、世界共通語である「英語」でコミュニケーションできると、さまざまな面で重宝するでしょう。
仕事でも、旅行でも、世界中の情報に触れることができます。
では、英語を学ぶのに、
いや、何かを学ぶのに共通する「最適な学習方法」ってないんでしょうか?
きっと同じようなことを考えたことがある人は少なくないはずです。
(今まで考えたことがなかった人も、今「たしかに!」と考えはじめていませんか?)
実はこれ、みなさんが自分自身に問いかけるべきとても重要な疑問なのです。
言語学習という分野において、私たちは、日本で長年英語を教えてきた「教師」と、外国に移住して現地の言語でコミュニケーションをとる方法を学ぶ「生徒」の両面を経験してきました。(漢字むずかしすぎます...)
そして、難しい決断を迫られたときに「知識」は最高の武器になるはずなので、私たちの過去10年間の経験や研究、知識の一部を共有できたらと思い、この記事を書いています。
今日は、さまざまな言語学習スタイルの長所と短所について学んでいきましょう。
この記事が終わる頃には、各学習スタイルがあなたにとってどのような効果があるのか、理解が深まっているはずです。
では、さっそく始めましょう!
深く掘り下げる

1. 学校
長所
文法、語彙、リーディング、ライティングなど、言語の基本を学ぶことができる。
学校のカリキュラムは、そのテーマに関する重要な情報を、より多くの人が理解できるように組まれている。
通学期間中は、定期的に言語学習の練習をすることができる。
短所
言語能力の向上に不可欠なスピーキングスキルやコミュニケーションが必要な課題など、学んだ知識を実践的に活用する機会がほとんどない。
教科書を使った勉強は、楽しくないと感じる人が多い。
クラス全員が同じ難易度で授業を受けるので、簡単すぎたり難しすぎたりする。
学校教育の目的は、テストの点数を取るために必要な特定の知識を覚えることで、言語の学習や使用方法を教えることではない。
これは、私たち全員が唯一共通して行くべき場所が「学校」だからです。
世界中のすべての学校で、母国語・外国語ともに何かしらの言語教育が行われています。
日本では、学校での英語教育の導入時期が以前より早くなっていますよね。
子どもにとって英語力は将来価値があることは明らかですが、果たして学校は英語を学ぶのに適した場所なのでしょうか?
正直に言うと、そうでもないんです。
そうでもないってどういうこと?と思いますよね、理由を詳しく見てみましょう。
一般的に、生徒は年間約90時間、教室で英語の勉強をすることになります。
ほとんどの学校では〈文法〉〈単語〉〈熟語〉という言語の基本を教えることに重点を置いています。そして学んだ知識を応用するために、リーディングとライティングの練習をします。
みなさん感じたことがあるかもしれませんが、学校の授業は、教員中心で行われるようにカリキュラムが組まれています。
言語に関する基礎知識を説明するために教科書や教材を使い、生徒にその基礎知識を覚えてもらうために丸暗記させたりドリル使うことが多いですよね。学校は生徒数が多いので、カリキュラム上、生徒に積極的に授業に参加してもらえる機会がないのです。
そして問題は、みなさんも経験されているように、学校で習うことは実践でのコミュニケーション能力をつけるものではないということです。
イメージしやすいのは、英語を人体に見立ててみることです。
(私は綾瀬はるかをイメージしますが...... みなさん好きな人を選んでください。笑)
学校で習うことは、基本的にとてもきれいで丈夫な骨格を作るものです。体の構成要素ですね。問題は、それしかないということなんです。
筋肉や心臓、脳、その他すべてがなければ、生命は生まれません。
そして、学校では "標準化試験制度(後半で詳しく説明します)"を行わなければいけないので、人を作るのに必要な残りのパーツを学ぶことはできないのです。
もう1つの問題は、授業が楽しくないことです。
2021年に行われた調査では、日本の高校生のうち、男子が最も嫌いな科目は英語でした。女子は数学に次いで2番目に嫌いな科目だったのです。
しかし無情にも、将来的に最も役に立つスキルについては男女共に英語が1番と答えているのです。
勉強に対してネガティブな姿勢は、学習能力に悪影響を及してしまうので、生徒さんがこのように感じてしまうのは、すごく悲しいことなんです。
若い世代の闘いをサポートするために、彼らが能力を最大限に発揮できるような勉強方法を見つけてあげるべきなのです。
まとめ:
「学校」は私たちの意思では決められないものです。
言語の基礎である重要な知識を学ぶことはできますが、学校の授業だけでは、実践で使えるレベルにはできないです。学校の授業は無視していいというわけではなく、むしろ、試験のためにあるのだと思えばOKです。もし本当に語学力を身につけたい場合は、他の練習で基礎を固める必要があるのです。

2. 語学専門学校
長所
語学をフルに学ぶには最適 - 必要なものをすべて学べるのが理想的。
毎日の勉強することで、早く英語力が身につく
同じ目標の学生といることで、ネットワークとサポートを受けることができる。
短所
時間的制約を要する
費用がとても高い
オプションがほとんどない
専門学校は、私立学校で語学を習得したい方にとって、素晴らしい選択肢のひとつです。
「語学力を伸ばすこと」を仕事とするようなもので、週40時間学校で勉強し、さらに宿題もあります。半年から1年で、英語を自在に操れるようになれるはずです。実は日本には、日本語を学びたい外国人のために、このような専門学校がたくさんあるんです!
本気で英語力を伸ばしたいと思っている方は、教科書学習(インプットベース)以上のものを重視している専門学校に通うことができれば、ほぼ間違いなくベストな選択と言えるでしょう。
問題なのは、"専門学校に通うことができるか"という部分です。
ご存知のように、時間的な制約が非常に大きいです。何かを身につけるにはフルタイムで勉強するのは素晴らしいことですが、今学校に通ったり仕事をしている人は、この「フルタイム」ができないですよね。
もちろん、夜間定時制学校のような選択肢もありますし、語学力を伸ばす絶好のチャンスになることは間違いないでしょう。ですが、フルタイムの仕事をこなしながら、ほとんどの時間とお金を勉強に費やすということは、精神的にも大きな負担となるので、あなたの意志とそのモチベーションがあるかどうかが問われます。
そして前述したように、金銭的な負担もあります。語学学校は、学習の完全パッケージを提供してくれるとても素晴らしい場所ですが、その分費用も高額です。近年の経済状況では、家計の大部分を何か1つに費やすというのは、あまり合理的ではないと考える人も少なくないですよね。
まとめ:
語学学校は素晴らしい施設です。もし通う余裕のある方は、ぜひ真剣に検討してほしい場所です。しかし、ほとんどの方がそこまでの時間やお金を費やすのが難しいというのが現実的です。ではどんな人に最適なのでしょうか。
適している人:
数ヶ月の間フルタイムで勉強する時間とお金がある人
大学を卒業してからしばらく自分の時間がとれる人
語学を学ぶために3~6ヶ月の休暇を取らせてくれる理解ある上司がいる人。
適していない人:
それ以外の人です。。笑

3. 英会話スクール
長所
学ぶ場所の選択肢やオンラインクラスなど便利なオプションがたくさんある。
自分でスケジュールを決められる自由度の高さ
コミュニケーションを通じて実践的に知識を応用する機会が多い
短所
標準化された数種類のカリキュラムを使うため、個々の学生に合わせた内容を提供することが非常に困難。
サービス品質がバラバラな可能性がある
自分の能力を最大限に伸ばしたい場合は、授業時間外の努力も必要。
学んだ知識を有機的に活用するというよりは、各レッスンテーマに縛られたスピーキング練習。
日本在住で英語力を伸ばしたい方は、一度は英会話スクールに通ったことがあるのではないでしょうか。少なくとも、一度は検討したことがあると思います。
英会話スクールは、マクドナルドや吉野家のように、必ずといっていいほど主要な駅の近くにありますよね。日本では何十年も前から英会話ビジネスが盛んで、「学校」以外の語学学習の選択肢として最も身近な存在となっています。どの会社も「ネイティブの先生」「自社開発のテキスト」など、独自の特徴を持ちたがりますが、英会話スクールの魅力はその圧倒的な利便性です。
前述のように、ほとんどの主要エリアでは電車を降りれば駅から徒歩数分圏内に英会話スクールがあります。近年では、zoom のようなサービスのおかげでオンラインレッスンが受けられるところが増えています。
入校費用やレッスン料金を支払ったあとは、いつ、どこでレッスンを受けえるかは自由に決められます。忙しい方にとっては、とても魅力的なオプションですよね。
(毎週同じ時間帯に同じ場所でレッスンを受けられる方は、少し安いプランが選べることもあります。)
もう1つのメリットは、レッスンは通常テキストや講師の指導に沿ったスピーキング練習が中心であることです。勉強で得た知識を実際に使ってみることで、コミュニケーション能力を鍛える機会も多くなるはずです。
では、「魅力的で便利な選択肢」=「良い選択肢」なのでしょうか?
それは本当に人それぞれです。
英会話スクールで学ぶ場合は、かなり多くの要素に左右されるでしょう。
まず、英会話スクール事業の目的は、他の営利事業と同じで、お金を稼ぐことです。
「学校」セクションで『標準化試験制度』について少し触れましたが、英会話スクールでも同じ問題が起こります。企業は利益を上げなければ続けていけないので、できるだけ広く網を張って、できるだけ多くのお客さんをキャッチしなければなりません。そのためには、生徒さん一人ひとりに合わせたカリキュラムを組むことは不可能なのです。英会話スクールは、ファストフード店で食事をするのと同じように、全生徒さんに同じ体験をしてもらわなければいけません。全生徒が同じ教科書を使って勉強しているのであれば、100%自分に合った学習はできないですよね。
講師に裁量権があれば、それぞれの生徒さんに合わせてレッスンをカスタマイズする自由はありますが、企業としては標準的な製品を目指して、より多くの人に宣伝・販売することが生き残る道なのです。
つまり、その "メソッド" があなたに合っていたら、それはとてもラッキーなことなのです。
グループレッスンの場合はさらに難しくなります。講師は全生徒に平等に情報を伝えなければいけませんが、「全生徒に平等」ということは「あなたにとって最適」というわけではないのです。
もう1つ、英会話スクールに通うときに気をつけるべき大きな問題が、自己学習(計画・準備・実行)にかなりの時間を費やさなければなければならないことです。
なぜでしょう?その理由を考えてみましょう。
語学教育では、CEFRレベルと呼ばれるヨーロッパのガイドラインを用いて言語能力を評価します。基本的に、A1、A2、B1、B2、C1、C の6つのレベルがあり、A1は初級、C2はネイティブレベルです。
ケンブリッジ大学の研究者によると、成人でやる気のある学習の場合、だいたい100〜200時間のガイド付き学習で次のレベルに上がれるそうです。
つまり、例えばあなたが英語初心者であれば、A1レベルということになります。そこから100〜200時間の学習で、A2に上がるのに十分なスキルが身につくはずです。ということは、600〜1200時間の学習で、ネイティブレベルの英語力を身につけることができるのです。
ということは、英会話スクールに週1回通って50分のレッスンを受ければネイティブレベルに到達するのは...... 27年後!?
英会話スクールの利便性や柔軟性が多くの人に好まれる理由ですが、その便利さや柔軟さが、実際に目標を達成するまでの時間を長くしているのです。もう少し現実的な例を挙げてみましょう。
例えば、あなたが日本の学校に通っていたとしたら、文法や語彙の基礎があるはずです。
週1回レッスンを受けると、1年間で約44時間のガイド付き学習をすることになります。さらに10分程度の宿題をこなすと、合計で約52時間の学習になります。
つまり、A1からA2へのレベルアップを目指すのであれば、英会話スクールで4年間勉強するか、英会話スクール以外の方法で150時間のガイド付き学習を計画・準備して、実行する必要があるということになります。
あるいは、週に4回レッスンを受けてみるのもいいかもしれませんね。
でも、、週に4回レッスンを受ける時間を確保しなきゃいけませんし、週4回のレッスンって、なんだか高そうな気がしますよね。便利でリーズナブルだから選んだ英会話スクールのはずなのに。。
ということは、英会話スクールで英語力を伸ばすのは無理なんでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。ただ、あなたが思っている以上に、努力が必要なだけなのです。
このブログの目的は、語学習得のためにどのような方法があなたに適しているかを判断できるようになるために十分な情報を備えること、ということを忘れないでくださいね。
もし、あなたが気に入った「メソッド」を持つ英会話スクールを見つけることができて、あなたにとって便利な場所で、信頼できる講師がいれば、そこは素晴らしい学習ツールになるかもしれません。
でも、あくまで「学習ツール」であることを忘れないでくださいね!
あなたにあった英会話スクールを見つけることが最終的な結果ではなく、その学習ツールを使って、あなた自身が作り上げていくのです!
まとめ:
英会話スクールは、学校や日常生活では鍛えられない部分の英語力を伸ばすのに最適なツールです。これを最大限に活用する方法は、知識を備えて、勉強の指揮を執ることです。
英会話スクールがあなたに必要なことをすべてをやってくれるとは限りません。自分の目標を知り、そのために必要なことを全力で学び、英会話スクールにその手助けをしてもらうようにしましょう。
適している人:
利便性や柔軟性を必要とする人
良いペースで成長するためにレッスン時間外も必要な時間を英語に費やせる人
適していない人:
具体的な学習目標がある人
教科書で学ぶのが嫌いな人
レッスン時間外に英語を練習する時間がない人
自己学習が苦手な人

4. 家庭教師
長所
非常に便利で、レッスン内容や講師を自由に選べる。
他の選択肢に比べ、はるかにリーズナブル。
個々のニーズに合わせてカリキュラムを調整する自由度が高い。
短所
誰でも家庭教師になれるので、サービスの質は保証されていない。
結果を出すために、より献身的な努力を要する。
スピーキング練習については、不自然さ / たどたどしさがある。
現代技術の進歩によって、昔よりも簡単に家庭教師を見つけることができるようになりました。英語学習もその例に漏れません。あなたの都合のよい時間にログインすれば、英語の先生をマッチングしてくれうるというサービスも増えていますよね。価格も他のビジネスと比較して非常にリーズナブルです。
もしも、資格のある家庭教師とマッチングして、あなたの能力に合わせたカリキュラムを作ってくれたら、素晴らしい成果が出せるでしょう。「もしも」です。
実際は、教師になるための資格を問われることはほとんどなく、ほぼ誰でも家庭教師になれるのです。
教育に対して熱心で、意欲的な素晴らしい家庭教師とマッチングする可能性もありますが、全く経験がなく、週末に数時間人と話すことでちょっとしたお小遣いを稼ぎたいだけの教師とペアリングすることも大いにあり得るといういことです。
これは本当に運次第というか、良い家庭教師を見分ける力と、見つかるまで探し続ける粘り強さを持っているかどうかによります。
もう1つのデメリットは、必要なものをすべて手に入れるためには、膨大な努力が必要であることです。あなた自身の目標が明確で、必要な教材や学習方法がわかっていれて、一緒に実践してくれる教師を見つけることができたら、家庭教師は素晴らしいツールになります。
でももし、目標が曖昧だったr、どんな学習が必要かわからなければ、あなたの家庭教師を信じるしかなくなってしまいます。
まとめると、家庭教師は、運がよければ、あなたが正しい方法で正しく学べているかを確認しながら学習することができます。 しかし、質の保証はありません。家庭教師サービスを利用する場合は、自分に合った家庭教師を見つけるまでに根気がいることを覚悟してから挑んでください。
英語学習初心者の方は特に、このようなサービスの利用には注意が必要です。
少なくとも最初は、より体系的な環境で基礎を学んだ方が効率が良いのです。
もちろん、この方法でも英語力を伸ばすことは可能ですが、よい家庭教師を見つけ、独学で語学を習得するんだという100%の意欲と意志を持って、学習に励んでください。
適している人:英語学習の経験があり、自分の目標や必要な学習方法が明確で、根気強く自分に合った家庭教師を見つけることができる人。
適していない人:自分がどのように勉強したいのかが明確でない人。継続学習にサポートが必要だと考えている人、英語学習に対するモチベーションを上げるのが難しい人。
1番大切なこと
ここまでくれば、あなたにとって「どこで英語学習をするのがベストなのか」だいぶご理解いただけたのではないでしょうか。英語学習の方法を選択するときに考慮すべきことはまだまだたくさんあるので、別の記事で詳しく説明していきますね。
繰り返しますが、このブログの目的は、あなたが英語に限らず何かを勉強するときに、正しい選択ができるように必要な知識を備えてもらうことです。
人間はシンプルな人生を望むものですが、実際、言語は習得するのに何年もの努力とモチベーションの維持を必要とするすごく難しいことです。英語学習のように勇気が必要な大きなクエストに取り組むと決めたあなたは、達成するための最高のチャンスを受けるべきです。
だからこそ、「どこで英語学習をするか」あなたの決断が与える影響を理解してほしいと思っています。
魔法のような選択肢はありません。あなたが選べるものすべてに、プラスとマイナスの側面があります。
ここまで読んでくださったあなたは、少なくとも、どの選択肢に何を期待できるのか、その選択肢があなたにとってどのように機能するのかを以前よりもよく理解できているはずです。
その「理解できている」ということがとても重要なことなのです。
そしてこのプロセスをあなたのものにしてください!
このブログからそのことを汲み取っていただき、1人でも多くの方がよりよい選択をしてくれることが、私たちの何よりの願いです。